【技術戦略 前編】アイデミーの 3本柱の技術戦略と、展望するエンジニア像を公開します

この連載は,2021年10月17日にアイデミー CTO の清水 (@meso) が,アイデミーの技術戦略を社内にプレゼンしたものの文字起こしです.前編となるこの記事では,技術戦略の3本柱を定義し,その先に展望するアイデミーのエンジニア像を見通します.

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アイデミーの技術戦略を公開します

技術戦略の三本柱 (v.1.0.1)

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3大方針を掲げます

1 サーバーレスとマイクロサービス化の促進

できるだけ小さく,早く,安く作って提供することをコンセプトにしています.サーバーレス技術は,開発の面でもリソースの面でもスモールスタートを可能にするものです.マイクロサービス化とは,サービスを巨大な1つのシステムで実現するのではなく,1つ1つの小さいシステムを組み合わせて実現するという考え方です.

サービスを今後10年20年50年と長く続けていくためには,今あるものをそのまま運用していくだけではなく,どこかのタイミングで作り直しをしていく必要があります.それをスムーズに実現するためには,大きいものを全部がさっと作り直しをするよりは,ちっちゃく分割されているものを1個1個を作り直ししていく方が当然やりやすい.マイクロサービス化することで,プロダクトの寿命をかなり長くすることができます.これを推進していきます.

2 ドッグフーディング

ドッグフーディングは「自分で作ったものを,自分で使う」という意味の言葉です.アイデミーは「AI を使っていきましょう!」という教育研修を提供している一方で,自社での AI 技術の活用余地はまだあります.これは取り組むべき課題であるとずっと認識していました.「自分たちできちんと AI 技術を使って行こう」「機械学習を用いた新機能を Aidmey に実装して行こう」というのを,技術戦略の2つのめの柱に掲げました.

3 デザイン思考 + リーン + アジャイル

実際の技術というよりは,やり方や手法についてです.我々にはお客様がいらっしゃいますので,当然お客様の要望に応えていきます.しかし「お客様の要望にただ応えていくだけでいいのか?」と言うと,やはりそうではない.

顧客要望は重要なご意見で,それをきちんと汲み取って応えていくのと並行して,「その要望が出てくる本質的な問題は何だろう?どんな課題があるんだろう?」と探求し,そこにアプローチをしよう,というのがデザイン思考です.

そしてその課題に対する解決策をリーンの考え方に基づいて迅速にプロトタイピングする.コード書いてシステムを作るとかじゃなく,ペーパープロトタイプでもいいと思うので,それを持って実際にお客様にぶつけて,ご意見を伺う.

それで実際に何を作るのか決まったら,不確実性に対応したものづくりを,アジャイルの考え方を使ってやっていく.こういった手法を活用していくことでより良いプロダクト開発につながっていくんじゃないかと考えています.

注目すべき技術要素

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注目する技術

具体的ないろんな技術のロゴをここに掲げています.既に使っているものもあれば,まだこれからというものもあります.いくつかちょっとした説明を書いていますので,興味のある方はご覧ください.

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技術の簡単な説明

注意点としては一番右上に書いてる「記載のない技術を使ってはいけないというわけではない」ということ.ここにない技術であっても,もちろん使うべきものは使うというところだけは忘れないでいただきたい.新しい技術はどんどん出てくるので,そういったものもキャッチアップして使っていければいいかなと思います.

実現されるエンジニア像

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フルスタックエンジニア++」

技術戦略を通じて実現したいエンジニア像は「フルスタックエンジニア++」.「++」というは「一歩前進した」というニュアンスです.フルスタックエンジニアは,フロントもサーバサイドもインフラできるエンジニアというニュアンスです.それにプラスして,例えば:

  • 機械学習システムの開発運用がある」とか

  • 「課金決済周りの経験がある」とか

  • スクラムマスターですよ」とか

  • 「ピープルマネジメントの経験がありますよ」とか

そうした人材になると,本当に市場価値がすごく高まる思います.ぜひアイデミーのエンジニアにはそういう人材になっていただきたいです.

「市場価値めっちゃ高まったけど,それでもやっぱりアイデミーで働きたい.働き続けたい」と思ってもらえるような処遇をします.処遇というの当然,金銭面だけの話ではなく,環境とか働き方とかを含めた処遇をしていきます.これは僕 (@meso) からアイデミーのエンジニアの皆さんへの「覚悟の表れ」と思ってもらえればと思います.

技術戦略のバージョン

実は最初にちょこっと「v. 1.0.1」と書いていて,「これで完成して,未来永劫変わらないもの」ではありません.当然,戦略が変わればそれに基づいてアップデートしていきますし,そうじゃなくても細いアップデートはしていくと思います.何か大きなアップデートがあったら,また皆さんお知らせしようかと思います.ちょいちょい変えていくことはあるかとは思いますので,その点はご了承ください.

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後編に続きます.

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