Aidemy のプロダクト戦略から導き出した Q3 (12月 - 2月) 開発計画を公開します

Q3 開発計画の一部を「学習体験の向上」と「学習管理の効率化」の2つの観点に分けてご紹介します。

プロダクト戦略の実現に向かって

1. 学習体験 (UX) の向上

f:id:aidemy-blog:20211117154919p:plain

学習過程の前方 / 後方 両面の体験向上へ

1.1 挫折ゼロへ!進捗停滞を打開する動機づけメール配信機能

いざ何か新しいことに挑戦するというときに、三日坊主や挫折は最大の懸念です。プログラミングを始めとする先端技術を Aidemy で学習するユーザにとっても、これは変わりません。Aidemy はこうしたユーザの懸念を払拭するため、仕組みづくりに取り組みます。

次の四半期では、学習の進捗が一定期間なかったユーザに対し、学習のリマインドメールをお届けする機能を実装します。これにより進捗の思わしくないユーザのマインドシェアの回復を改めて促し、挫折の最小化を目指します。

1.2 「必須」「任意」に加わる "受講推奨" が意欲的な学習の道標に

Aidemy には 130を超えるコースが収録されており (2021年11月現在)、学習する際には、その中から複数のコースをひとまとめにした「カリキュラム」を履修することになります。1つのカリキュラムに含まれるコースの数はまちまちですが、平均的には10 - 20 個ほどです。

意欲的なユーザがカリキュラムの履修を完了した後、残る手付かずの100以上のコースを始めたいと思っても、どれから着手すべきか判断が難しいという課題がありました。Aidemy はこの課題にも取り組みます。

 

f:id:aidemy-blog:20211111144807j:plain

「受講推奨」の表示が学習者の案内人に

これまでは、カリキュラムに含まれるコースは「受講必須」、含まれないコースは「任意受講」という大別のみが存在していました。新しいシステムでは「任意受講」コースの順序を指定して並び替えることができるようになります。上に表示されるコースほど "受講推奨" であるという位置づけが明確になり、カリキュラム学習のその先にある発展的な内容のどれを学ぶとよいのか、ユーザに分かりやすくなります。

2. 学習管理の効率改善

Aidemy Business では、管理者がメンバーの学習進捗管理で行う設定変更やデータ操作を便利にします。学習管理の効率を改善する 4つの新機能は、さらに2種類に整理できます。

  1. 強力な CSV インターフェースの開発
  2. ウェブ GUI の機能追加

f:id:aidemy-blog:20211118190701p:plain

強力な編集インターフェースの搭載へ

2.1 進捗 CSV に学習時間データを追加。分析&フォローが容易に

進捗 CSV に新たに「学習時間」の集計を新たに追加します。Aidemy Business のユーザでは、業務の一環として Aidemy を利用するケースも多いです。受講者が計画した通りに学習を進められているかを確認できるデータを追加し、チーム管理者の学習管理の精度の向上を目指します。

学習時間が把握できるようになると、少ない学習時間で大幅に進捗のある学習者がいれば、AI スキルの高い人材として抜擢することができるでしょう。反対に、計画より学習時間がかかっていて進捗がよくない学習者への、カリキュラムの見直しや学習のリマインドなどのフォローも容易になります。

2.2 詳細なメンバー情報の更新も CSV で効率的に一括更新

登録されたメンバー情報を編集したい場合、個人別に編集するか、情報種別毎に一括設定する方法(例えば、カリキュラムを選択したメンバーに一括設定する)がありますが、多人数の複数情報(名前、メールアドレス、タグなど)を編集する場合に手間と時間がかかっていました。

新しく実装する CSV での一括メンバー情報更新機能では、集計やフィルタなど、使い慣れた CSV エディタで作成したファイルが利用できるようになるため、管理者の管理作業はより簡便になります。

2.3 テストと受験対象者が CSV による一括設定に対応

管理画面を使って管理者が受験してほしいテストに受験者を設定する場合、テスト毎に受験対象者を画面から選択する方法がありますが、複数テストを多人数に設定する場合に手間と時間がかかっていました。

ここでも新しく開発する CSV I/F が作業効率を強力に支援します。テストとユーザの割当を所定の様式に則り CSV に記入したら、それをアップロードするだけで設定が完了できるようになります。

2.4 ブラウザ完結!ウェブから便利に全メンバーの情報を一括編集

上記の3つの機能は CSV ファイルを介したデータ操作でしたが、もちろんブラウザで完結する操作を充実させることも計画に含まれています。「全メンバー」の一括操作の機能を実装することで、運用効率のボトルネック解消に取り組みます。また最大同時表示数の上限も新たに見直し、画面を有効に活用できる設計に改修していきます。

※赤枠部分

現状、一括変更の最大数は 1ページに表示されている50人で、2ページ目以降のメンバーを選択することができません。2ページ目以降に表示されるユーザに関する変更は、該当ページに遷移してから都度選択する必要がありましたが、これを便利に改修する予定です。この新機能により、管理者が行う管理作業の運用効率をさらに高めることを狙っています。

なぜ「UX 向上」と「運用効率改善」なのか?

製品開発の計画はどれも、自社の「プロダクト戦略」から導き出されています。なぜならば、プロダクト戦略を確実に遂行することで、アイデミーは自らのミッション「先端技術を経済実装する」を果たすことができると考えるからです。Aidemy のプロダクト戦略については、別の記事でも詳細に書いています

alms.dev

Aidemy Business ではお客様毎に「チーム」をご用意し、チームの中に「メンバー(管理者・受講者含む)」を招待することで利用できます (参考: 用語集)。典型的には1チームあたり数10 〜 数100人のメンバーが所属していますが、最近では1,000人、10,000人規模のチームも出てきています。

それだけ多くの学習者がいれば、学習の進みは様々です。背景知識の有無や、学習に割ける時間の多寡、プログラミングの得手不得手も影響することでしょう。そうしたバラつきのある学習進捗に応じたサポートを出せる仕組みを整備することで、学習の体験を他にはない充実したものにすることができます。これが UX の改善を行う理由です。

また学習者の数が多くなるほど、管理者の作業をいかに効率的に実現するかが一層重要になります。チームに所属するメンバー数が増えた今だからこそ、カリキュラム設定から受講者の進捗確認、分析やフォローが効率的かつ確実に行えることの重要性は以前にも増して高まっています。これが運用効率の改善に着手する理由です。

オマケ: 「これだけ?」と思った人へ

いえ,Q3 に計画している開発計画はこれだけではありません.この記事で紹介していない開発も,この記事で紹介したものと同じくらいインパクトが大きく,プロダクト戦略を大きく前進させるものです!

しかし,まだ紹介できるときではありません... そのときにまたご紹介しますので,ぜひお楽しみにお待ち下さい!

(追記 2022-04-15)

上記の6つに加えて実装した機能とは,Alms の国際化でした.詳細をブログに書きましたのでご覧ください!

alms.dev